Yuki Nemoto
AUTOBACS SUPER GT
Rd5 Suzuka Race Report

■Introduction
8月23日(土)〜24日(日)、根本悠生が今季参戦する「オートバックス・スーパーGT 2025」第5戦、真夏の伝統の一戦が三重県・鈴鹿サーキットにて開催された。
31号車 apr LC500h GT(Oliver Rasmussen / 小山美姫 / 根本悠生)にとっては、8kgのサクセスウェイトと厳しい暑さとの戦いとなり、シリーズの流れを左右する重要な一戦となった。今シーズン序盤から取り組む新たなセットアップの開発を順調に進めるものの、予選で後退。週末を通して厳しいレースウィークとなった。

■Qualify:22nd
現地時間8月3日(土)15時15分、気温34℃、路面温度47℃。厳しい残暑の中、まさに「猛暑の鈴鹿」を象徴するコンディションで、決勝のスターティンググリッドを決める予選が行われた。
31号車はQ1・A組に出走し、ステアリングを握る小山選手がQ2進出を目指した。練習走行後半に実施されるGT300クラス限定走行セッションでは、持ち込みタイヤのセット数制限のため、予選とは異なるコンパウンドで予選シミュレーション走行していたが、小山選手は良い感触を得ていた。チームとしても上位グリッドを狙い、小山選手にQ2進出を託した。
猛暑による高い路面温度を受け、各車の戦略は二分した。タイヤのウォームアップを通常通り2周行うチームと、1周のみでアタックに入るチームである。小山選手はこれまでの経験と、決勝を見据えたハードコンパウンドタイヤを装着していることを考慮し、通常通り2周のウォームアップを選択した。
順調にタイヤを温めていったかと思われたが、アタック1周目は前半セクターでフロントタイヤのグリップ不足に苦しみ、2分00秒337と伸び悩む。続く2周目のアタックで各セクターの自己ベストを更新し、1分59秒406を記録するも、Q2進出にはわずか0.016秒及ばなかった。
結果、惜しくもQ1敗退となり、Q2を担当予定だったラズムッセン選手へタスキをつなぐことは叶わなかった。

■Race:17th
予選と比較して大きく気温は変わらないものの、強い日差しがサーキットへ降り注ぎ、更に路面温度が高くなった決勝日。気温34度、路面温度51度という、ドライバーはもちろんチームスタッフにとっても厳しい暑さとなった。
午後3時30分、鈴鹿サーキットで300km、52周のレースが始まる。31号車 apr LC500h GTは、これまで幾度となく敢行してきたタイヤ無交換作作戦を採らず、今大会ではタイヤへの負荷が非常に高いこと、またグリップを最大限使い切り上位進出を目指すため、1回のタイヤ交換作戦を採択し灼熱のレースに挑んだ。
スタートドライバーは小山選手。ロケットスタートを見せたかに思われた666号車にオーバーテイクを許し順位を落とすも、これは先方のスタート手順違反によるものであった。それ以外はクリーンなスタートを決め、スタート時からポジションを一つ落とした23番手にてレース序盤を進める。
タイヤのウォームアップも完了し、これからいよいよ前を追おうというタイミングの4周目、最終シケインにてGT500クラス同士の接触によるクラッシュが発生。車両回収のためセーフティーカー(SC)が投入された。車両回収に時間がかかり、レースは9周目に再開。小山選手はそこから順位を落とすことなく快調にレースを進め、15周目にピットイン。ラズムッセン選手へと交代した。

予定より1周早く小山選手をピットへ呼び戻した金曽監督。その背景には、ピットウィンドウ前後で360号車 RUNUP RIVAUX GT-Rの前に出るためのアンダーカットを成功させたいという思惑があった。ターボパワーによる中間加速に優れるGT-Rは鈴鹿を得意としており、LC500hの強みを活かしたオーバーテイクは非常に困難なためだ。コースへ復帰したラズムッセン選手は、ウォームアップが難しいとされるハード側のタイヤでも、アウトラップから強力なセクタータイムを記録する。しかし、その力走をもってしても360号車をアンダーカットするには至らず、360号車、31号車、そして背後に迫る87号車 JLOC Lamborghini GT3という三つ巴の展開となった。
33周目、デグナーカーブ2つ目の出口で26号車 ANEST IWATA Racing RCF GT3がエンジントラブルによりストップ。この車両を回収するためFCY(フルコースイエロー)が導入された。幸い、マーシャルの迅速な作業により車両はすぐに回収され、FCYは短時間で解除される。
その直後の34周目、ラズムッセン選手は130Rで姿勢を乱し、わずかにコースをはみ出してしまう。その一瞬の隙を突かれ、87号車ランボルギーニに先行を許し、順位を一つ落とした。このオーバーテイクの際、ラズムッセン選手は87号車の危険なドライビングを訴えたが、審議によるペナルティは課されず、レースは続行となった。

レースが終盤へ差し掛かると、更なる波乱が待ち受けていた。
41周目、777号車 D’station Racingの右リアタイヤが最終コーナーでバースト。マシンは大きくコースオフするも、ドライバーのコントロールでなんとかコースへ復帰を果たす。しかし、ピットロード入口をすでに過ぎていたため、破損したタイヤで丸々1周をスロー走行せざるを得ない状況となった。
コース上の混乱を冷静に処理したラズムッセン選手は、自らが履くブリヂストンタイヤの強みであるデグラデーション(性能劣化)の少なさを最大限に活かす。周回ごとにペースが鈍り始めていた360号車 RUNUP RIVAUX GT-Rに対し、ついに第3セクターでオーバーテイクを成功させると、ラズムッセン選手は更にペースアップ。そのラップタイムはトップ集団と遜色ないレベルに達し、ポイント獲得へ向けて最後の追い上げを見せた。
レース最終盤の44周目、今度は6号車 Team LeMans(VELOREX FERRARI 296 GT3)のリアタイヤがバーストするアクシデントが発生。バックストレート上にタイヤの破片が広範囲に散乱したため、これを回収すべくこのレース3度目となるFCY(フルコースイエロー)が導入された。
レース再開後、緊急ピットインでフレッシュタイヤに交換した6号車が猛然と追い上げてくるが、ラズムッセン選手はこれを冷静に抑え込み、自身のポジションをキープ。最終的に18番手でチェッカーフラッグを受けた。
しかし、レース終了後の再車検で60号車 Syntium LMcorsa LC500 GTに最低重量違反が見つかり、失格処分が下る。この結果、31号車 apr LC500h GTの最終リザルトは一つ繰り上がり、公式結果17位として灼熱の鈴鹿戦を終えることとなった。

■根本コメント:
「前回の富士大会と比べ、予定していた走行プログラムやセットアップ確認をスムーズに進められ、大きなミスなく週末を終えられた点には安堵しています。しかし、パフォーマンスという点では依然として苦戦が続いています。BoP(性能調整)の数値上は前大会より良い調整を頂きましたが、期待したペースには届かず、チームとしてやや停滞している状況です」
「それでも、セパンテストで見出したセットアップの方向性をさらに進化させられたのは、今週末のポジティブな側面でした。ライバルの進化も著しいため、次戦の菅生までにこの停滞を打破できるよう、短い時間でもチームと共に成長していきたいです」

▼来場者数公式発表
大会総入場者数 48,000
◆REPORT PDF
Borderless:準備中
SuperGT:準備中
◆Photo Gallery
https://www.yukinemoto.com/gallery/2025-sgt-rd5/
All shots by @kakophotography
本件に関するお問い合わせはinfo@borderless-motorsports.comまで
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