Fanatec GTWorldChEu pwrd by AWS Sprint Cup Rd2 Misano

Yuki Nemoto
Fanatec GTWorldChEu pwrd by AWS Sprint Cup
Rd2 Misano Race Report

■Introduction

 7/14(金)〜7/16(日)、根本が今年フル参戦するファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ・スプリント選手権の第2戦ミザノが、イタリアに位置するミザノ・ワールド・サーキットにて開催された。

ここミザノ・ワールド・サーキットは、バレンティーノ・ロッシが生まれ育ったウルビーノから約10kmほどの距離にあり、週末は多くのロッシ・ファンがサーキットを訪れた。

今大会は都合がつかなかったロルフ選手に代わり、ランボルギーニ・スクアドラ・コルセのGT3ジュニアドライバーであるマッティア・ミケロット選手をチームメイトに迎え、シルバーカップを戦う。

■Qualify:Q1-5th Q2-4th

 真夏は連日灼熱に晒されることで知られるここミザノ・ワールド・サーキットだが、予選は朝に行われていることもあり、気温26.9度、路面温度28.8度という比較的過ごしやすいコンディションの中、現地時間15日9時00分に決勝のスターティンググリッドを決する公式予選が行われた。GTワールドチャレンジ・スプリント選手権ではQ1のリザルトがレース1のスターティンググリッドへ、Q2のリザルトがレース2のスターティンググリッドとなるレギュレーションとなっており、それぞれ担当したドライバーが各レースのスタートを担当する。

 今大会はスプリント選手権ながら総勢42台というエントリーを集め、昨今のGT選手権の人気の高さを感じられる一戦となった。ミザノは全長4.226km、低中速コーナーが続くサーキットということもあり、予選での重大な混雑を回避するため、それぞれの予選を更にA組(プロ/ゴールド)・B組(シルバー・ブロンズ)に分け、各10分間の予選とすることが発表された。これにより、従来は20分間のうちに新品タイヤを2本投入するなど各チームによってタイヤ戦略が分かれることがあったが、殆どのシルバーカップのチームが新品1セットのみを使用することとなった。

 実は前日の練習走行後に、ミザノ・サーキットではとある“事件”が発生していた。全チームに主催者であるSRO経由でFIAからある通達が届く。同週末に開催されるフランスF4での不用意な事故を避けるため、ターン1-2-15-16イン側に設置されていたスピードバンプが撤去されることとなったのだ。確かにフォーミュラではこのスピードバンプを乗り越えた際にコントロール不能に陥り、大クラッシュに繋がるケースが多発している。またスピードバンプが無くとも、車の特性上コーナーのイン側をカットしていくことはそうないだろうとの予測から、予防的措置をとったと思われる。

 しかしこれがGTとなると話は変わってくる。GT車両は車重が重く、またサスペンションストロークも十分に確保されているため、このスピードバンプが無いとコーナーの内側をカットし放題になってしまうことになる。コーナー内側が芝生となっているターン1-15は問題ないが、ターン2や16は縁石の内側部分が広くアスファルト舗装されており、いくらでも直線的に走れてしまうという状況になってしまった。「どこまでがコース内なのか」「トラックリミットの基準はどこか」が明確にされないまま予選が始まってしまったことで、いつも以上に大荒れの週末となることが予想された。

 根本は予選1回目を担当。前回のブランズハッチ戦とは異なり、気温も路温も高めということもあり、計測1周目からアタックに入れる状況となった。グリーンフラッグと共にコースインするが、前方にはブロンズカップの車両が。チームとやり取りをし、ドライバーがプロなのかアマチュアなのかを確認するも、アタックに入るまでに間に合わず。殆どの車両が隊列をなして走行していたこともあり、満足に間隔をあけることができないまま1周目のアタックに入った結果、当該周回の最終コーナーでひっかかってしまい、思うようにタイムを伸ばすことができなかった。

 2回目のアタックでは、前日に煮詰めきれなかったセットアップの影響か、リアタイヤの挙動に不安を抱えながらの走行となってしまった。それでも全力アタックを続けた根本だったが、惜しくもターン15進入でアウト側の縁石を踏んだところで車両のバランスを崩してしまい、コースアウト。同タイミングでターン6でクラッシュ車両が発生したことで、赤旗中断となってしまった。

 赤旗再開後、根本はなんとかタイヤを温めなおし、作動域までもっていく。残り4分半という短い時間だったが、何とか2アタックを敢行。惜しくもベストラップとなった最終周はターン8でのトラックリミット違反で抹消となってしまったが、1分32秒797を記録し、シルバーカップ5番手タイムを記録した。

 予選2回目を担当したマッティア選手は10分間の予選中、常にクリーンエアで走ることに成功。トラフィックに気を紛らわされることなく、渾身のアタックを見せ4番手を獲得した。

■Race1:DNF

 1時間のスプリントレースで争われる本選手権。今大会はブランズハッチ戦とは異なり、通常の流れである土曜日に予選1回目&レース2、日曜日に予選2回目&レース2というスケジュールでの開催となった。

 現地時刻14時00分、気温30.3度、路面温度51.6度と煮えるような暑さの中、根本は総合35番手からスタート。すると根本が1コーナーへ到達する前に、ストレート上のデジタルモニターに黄旗が掲示される。隊列前方で#159 Garage 59と#21 Comtoyou Racing Audiがストレート上で接触、これに巻き添えをくらった#126 Imperiale Racingの3台がコースオフし、隊列後方の車両は何とか当該車両を避けつつ1コーナーをクリアしていくこととなった。

 根本は大きなリスクを背負うことはせず、順調に混乱を抜けると、即座に猛プッシュを開始。予選で使用したユーズドタイヤとはいえ、レースに向け更に追い込んだセットアップが見事にマッチし、周回を重ねる毎に順位を上げていくことに成功。シルバーカップのライバルのみならず、プロクラスの車両を含め華麗な戦いを見せる。

 9周目、#333 Tresor Attempto Racingを駆るピエトロ選手を追う形で走行を続ける根本。最終コーナーで態勢を崩したピエトロ選手の動きを見て、1コーナーでアグレッシブな飛び込みを魅せるも、根本がオーバーテイクを仕掛けていることに気付かなかったピエトロ選手とラインが交錯。決して大きなインパクトではなかったものの、当たり所が悪く、根本は左リアのサスペンションを破損。一時はレース続行目指してコースに復帰するも、ダメージが大きく、リタイヤを選択することとなった。ここまで非常に良いレースを展開していただけに、勿体ない結果となってしまった。

■Race2:2nd

 現地時間16日14時、気温32.4度、路面温度57.2度とレース1よりも更に気温・路温ともに上昇し、エンジン・タイヤ共に温度管理が非常に難しい、まさに”煮えるような”暑さの中、レース2が開始された。昨日の大クラッシュを受けてか、全車クリーンなスタートを見せる。マッティア選手は右リアのボディに軽い接触を受けたものの、大きなトラブルには至らず、順調に周回を重ねる。

 13周目、ターン6を超えたところで、マッティア選手の前を行くシルバーカップ2番手&3番手を含む4台が4ワイドとなる。#77 Haupt Racing Teamは完全に芝生上を走行するなどかなり激しい戦いとなっていたが、Boutsen VDSの二台そして#99 Tresor Attempto Racingの計3台が立て続けに接触。Boutsen VDSの#9 アルバート・ディ・フォルコ選手が弾かれる形でコースオフし、バリアに衝突。これによりフルコースイエロー(FCY)、その後セーフティーカー(SC)が導入され隊列が再びパックとなった。

 レース残り35分でグリーンフラッグが振られレースが再開。ピットストップ可能時間である35分~25分となったが、ヴィンチェンツォ監督は#163のピットストップを最後におこなうことを決意。20周目にピットインし、根本へと交代した。

 このピットストップで、順位を4番手から一気に2番手に上げることに成功すると、根本は新品タイヤの利を活かしてトップを行く#99 Tresor Attempto Racingを追うべくプッシュを開始。交代後3周目に1分34秒262というベストラップを刻むが、後ろから追い上げてきた12号車及び30号車とのバトルに時間を要し、99号車との差が開いてしまう。12号車と30号車はそれぞれプロ、ゴールドカップの車両で直接戦っているわけではないため、総合順位は落とすものの、タイムロスを最小限にすることを優先して前に行かせる選択をとった。

 根本はその後も順調に走行を続け、リアタイヤのオーバーヒートによるオーバーステアに悩まされたものの、危なげない走りで最終的に総合14位、シルバーカップ2位を獲得。GTワールドチャレンジヨーロッパ・スプリント選手権へ参戦し4レース目にして悲願の表彰台を獲得した。

■根本コメント:

「レース1での接触は非常に惜しい結果となってしまいました。チームのみんなに申し訳ない気持ちでいっぱいでした。」

「予選まで車のバランスにとても苦労していたこともあり、決勝でようやく競争力のある車を手に入れて気が焦ったのか…個人的にはあれだけしっかりイン側にクルマをもっていけて、エーペックスではこちらが前に出ていたのでスペースを空けて欲しいシチュエーションでした。しかし結果的に接触し、こちらはダメージを負ってリタイヤをしてしまったので、最終的に飛び込むことを決めた自分の責任だと考えています。あそこまでは強敵を相手に、アグレッシブに順位を上げていけていたので非常にもったいないことをしてしまいました」

「一方で、レース2はマッティアが前半に良いレースをしてくれたこともあって、僕は良いペースで走り切ることだけに集中できる環境でした。クラス違いの車両とは言えやはり抜かれたくない気持ちもあり、難しい状況でしたが、確実なリザルトが欲しい中で無事にクルマをフィニッシュまで良いペースで運ぶことができたのはとても良かったです。肩の荷が下りる思いでした」

「GTワールドチャレンジヨーロッパというGTレースの最高峰の一つで表彰台を獲得することができたことを嬉しく思います。週末を通してどんどん車の競争力を高めていくことができましたし、接触は余計だったものの、随所で良いバトルを魅せることができたのも自信に繋がりました」

「配信や現地で我々VSRのレースを楽しんで頂けたというコメントを沢山いただくことができ、しっかりと存在感を発揮できた週末になったのもとても嬉しいです」

「次戦ホッケンハイムリングは昨年も一度レースをしているサーキットで、走っていてもとてもチャレンジングで楽しいサーキットの一つです。今回惜しくも逃した優勝を、チーム一丸となって獲得できるよう頑張ります。引き続き163号車の応援を宜しくお願い致します」

◆REPORT PDF
Borderless:coming soon
VSR:https://www.yukinemoto.com/en/report/pdf/230716-VSR-GTWCS-Rd2.pdf

◆Photo Gallery
https://www.yukinemoto.com/gallery/2023-gtwcs-rd2/
All shots by @kakophotography

本件に関するお問い合わせはinfo@borderless-motorsports.comまで

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