Fanatec GTWorldChEu pwrd by AWS Sprint Cup Rd3 Hockenheimring

Yuki Nemoto
Fanatec GTWorldChEu pwrd by AWS Sprint Cup
Rd3 Hockenheimring Race Report

■Introduction

 9/1(金)〜9/3(日)、根本が今年フル参戦するファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ・パワードバイAWSの第3戦が、ドイツ南西部に位置するホッケンハイムリングにて開催された。

 前戦は都合により参戦できなかった相方ロルフ・イネイチェン選手もカムバックし、シルバークラスを戦う。

 GPサーキットとしても知られるホッケンハイムリングは全長約4.5km、中高速コーナーメインのレイアウトを持ち、幅員には比較的余裕があるが同時にライン取りにはドライバーの腕が問われるテクニカルコースだ。

 根本には昨年参戦したGTWCEエンデュランスカップでの走行経験があるが、ウラカンGT3 EVO2での走行は根本、チーム共にデビュー戦となった。

■Qualify:Q1-2nd Q2-4th

 GTワールドチャレンジ・スプリント選手権では第1予選(Q1)のリザルトがレース1のスターティンググリッドへ、第2予選(Q2)のリザルトがレース2のスターティンググリッドとなるレギュレーションとなっており、それぞれ担当したドライバーが各レースのスタートを担当する。

 迎えたQ1はロルフが担当。全クラス41台がトラックを埋める中、T1、T16を中心にトラックリミットによりタイム抹消となる車両が多発。しかし常に安定したラップタイムを重ね、クラス2番手を獲得した。

 根本が担当したQ2では新品セットを2セット投入。最初のアテンプトでは総合10番手、シルバーカップ2番手タイムを記録するも、2セット目でタイムを上げきることができず。しかしこれまでの課題であった予選中のチームとのコミュニケーションのレベルアップによる、クリアラップの確保には成功。100%満足のいく予選ではなかったが、もてるポテンシャルを発揮することのできた20分間となった。

■Race1:4th

 同チームのエースカーである#60やロルフを筆頭に、好調な走りを見せたこともあってか、ウラカンGT3 EVO2がQ1後に急遽BoP(Balance of Performance・性能調整)の変更を受ける。結果、+10kgのウエイトを課せられレース1を迎えることとなった。

 現地時間14時、気温23.3度、路面温度41.2度。爽やかな快晴の中、ロルフ選手が総合26番手からスタート。一気に21番手まで順位を上げるも1周目のT6で複数台が絡むアクシデントが発生。例に漏れずロルフ選手も巻き込まれ、前方への衝突を回避するも後続車の追突を受けスピン。即座にコースへ復帰するも総合38番手、クラス最下位の10番手まで順位を落としてしまう。

 再び追い上げを試みるロルフ選手だったが、翌周44号車と87号車が再びT6にて接触。セーフティーカー(SC)が導入され隊列が再びパックとなった。レース残り50分でSCがクリアとなり32番手までポジションアップ。ここまで開始10分で5台以上がリタイヤする波乱のレース展開となった。

 再びグリーンフラッグが振られるも、SC解除の僅か6分後再び#52 AF Corse、#28NOVA Racig、#119 VSRのシルバークラス3台でのアクシデントが発生。

3分間のFCY(フルコースイエロー)が掲示された後、SCが導入されることとなった。この時点でロルフ選手は総合26番手、クラス5番手。

当該SCが解除されるもレースはすでに残り38分を切り、ロルフ選手はレーシングスピードでの追い上げが困難なスティントとなってしまった。

 残り35分、ピットレーンのオープンと同時にロルフ選手がピットインし根本にバトンをつなぐ。このピットストップで7秒近くロスしてしまい、32番手でコースへ復帰することとなる。しかし、根本がアウトラップから猛アタックを開始。ユーズドタイヤを履きながらも周回を重ねるごとに順位を上げていき、見事アンダーカットに成功。ここで根本は総合23番手、クラス5番手までポジションアップを魅せる。

 快調な追い上げを見せていた根本だったがレース残り25分、他クラスである#91 Herberth motorsportに行く手を阻まれてしまう。#91の前ではシルバークラスの2~4番手がトレインになっていて、根本がクラス内の順位をあげるには一刻も早く#91をパスし彼らを猛追する必要があった。しかしクラス違いにも関わらず激しいブロックに見舞われ、行く手を阻まれることに。最終的にはオーバーテイクを決めたものの、前方集団からは一歩遅れを取ることになった。

 レース終盤、クラス4番手を走行していた#99がスピンを喫し、根本が4番手に浮上。2番手チェッカーを受けた#65が5秒のトラックリミットペナルティを課され順位を落とすこととなり、根本の3番手へのポジションアップが期待されたが、僅か”0.150秒”及ばず。

 総合16番手、シルバークラス4番手でレース1を終えた。

■Race2:4th

 現地時間14時35分、気温24.9度、路面温度42.1度。昨日より空が雲に覆われ、秋らしいレース日和の中、根本は総合21番手からスタート。

 スタート直後にプロクラスを含む3台をオーバーテイク。同クラスの#90 MadPanda motorsportをパスすることにも成功し、クラス3番手にポジションをあげる。

スムーズなスタートを魅せた根本だったが、同周回のT8で目の前を走行していた3台が激しくクラッシュ。巻き込まれた根本もフロントにダメージを受けてしまった。

 その後SCが導入され、根本は前後をプロクラスに挟まれる状態で18番手を走行。

残り50分でSC解除となり、T1でプロクラス#12ComToYou Racingのインを差すなど、猛プッシュを開始。

 その後もコンスタントな走りをキープし、15周目にピットインしロルフ選手へと交代。常に1分40秒台を維持し、決してペースの悪くないロルフ選手だったが、徐々に順位を上げる#90に背後を着かれてしまう。

 残り11分で2秒のギャップがあったため、なんとか逃げ切りたいロルフ選手だったが、残り6分でギャップを0.9秒まで詰められる。懸命にブロックをするがファイナルラップのT1で痛恨のトラックリミットを取られてしまい、スピードのある#90にT2で差されてしまい4位へ後退。

その後もチャンスを計るロルフ選手だったが”0.5秒”と僅かに及ばず、総合18番手、クラス4番手でチェッカーを受けた。

 両レース”1秒未満”という僅差で表彰台を逃す非常に悔しいレースウィークとなったが、ポイントランキングではクラス6番手から4番手に浮上。

今後のシーズン後半戦へ向けて大きな弾みをつける週末となった。

■根本コメント:

「レース1でのロルフ選手のスタートは素晴らしく、スタートだけで5ポジション上げたのですが、その後のターン6での混乱に巻き込まれ後退。ほぼ最後尾まで落ちたにも関わらず、あきらめずにプッシュし続けてくれたことで、表彰台まであと一歩というところまで追いつくことができました。しかしレース1もレース2もあとほんの少しというところで表彰台を逃してしまったことにはかわりなく、レースウィークがあけた今も悔しい気持ちでいっぱいです」

「しかし今大会ではニュータイヤランでのピークグリップの引き出し方、電子デバイスの活用法、レース中のラップタイムの安定性など、ロルフ選手含めチーム全体として開幕戦から大きく飛躍することのできた一戦となりました」

「ロルフ選手に表彰台を届けることができなかったこの悔しさを、次戦バレンシアで必ず晴らすべく、チーム一丸となって更にハードに戦います。引き続きVSR 163号車の根本悠生とロルフ選手の応援をよろしくお願いいたします」

◆REPORT PDF
Borderless:coming soon
VSR:https://www.vs-racing.com/en/article.php?id=657

◆Photo Gallery
https://www.yukinemoto.com/gallery/2023-gtwcs-rd3/
All shots by @Fotospeedy

本件に関するお問い合わせはinfo@borderless-motorsports.comまで

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