Campionato Italiano Gran Turismo Endurance Rd.2 Mugello

Yuki Nemoto
Campionato Italiano Gran Turismo Endurance
Rd.2 Mugello Race Report

Photo by Fotospeedy

■Introduction

 7月15~17日、イタリア GT 選手権・エンデュランスカップ(CIGTE)の 2022 年シーズン第2戦ムジェロが、イタリアのフィレンツェにほど近いムジェロ・サーキットで開催された。

 シリーズ開幕戦ペルグサでは根本が担当した最終スティントでタイヤのスローパンクチャーが発生。なんとかトップを死守すべく激しい戦いを見せるも最終ラップの最終コーナーでチームメイトへその座を奪われる形となってしまった。今大会ではそのリベンジをすべく、ミケーレ・ベレッタ、エドアルド・リベラティと共に戦った。

 ムジェロ・サーキットは根本が初渡欧した2016年から数えて今回で3大会目となり、2020年に参戦したイタリアGTスプリント選手権では総合優勝も経験している縁起の良いサーキットでもある。今大会は過去2戦とは異なり、路面温度が60℃近くまで上がるという過酷な暑さの中で行われる一戦となった。

■Qualify:1st

 現地時間16日12時50分、気温33度、路面温度52度とイタリアの夏らしい完走した真夏日の中、決勝のスターティンググリッドを決する公式予選が行われた。イタリアGTエンデュランスカップでは3名のドライバーがそれぞれアタックし、3名の記録したベストタイムの合計で決勝のスターティンググリッドが決定される。

 根本悠生はQ1を担当。このレースでは予選中の給油が認められていないため、Q1~Q3分の燃料を積んだ状態で公式予選がスタートとなる。そのため車両重量が重く、よりタイヤへの負荷も高いためその点も踏まえたアタックをする必要がある。また週末の新品タイヤ投入数にも制限がある(5セット20本)ため、根本に与えられたアタックラップは2周のみ。限られた周回数で確実にタイムを残す能力が試される。

photo by Borderless

 入念にタイヤへの熱入れを行い、一周目のアタックへ入るとすぐに求めていた車両セットアップウィンドウから若干外れてしまっていることに気付いた根本。FP1でテストした決勝セットは基本アンダーステアを出すようなものだったが、そのベースラインから予選セットへ変更した時に少しアグレッシブにし過ぎてしまったようで、主に中高速コーナーでリアが不安定になってしまっていた。まさにその中高速コーナーが続く第2,3セクターでタイムを落とすも、なんとか1周まとめ切り、1’46.909を記録。三人の中でベストタイムを記録し、フロントロー獲得に貢献した。

◆YouTube:Campionato Italiano GT Endurance – Mugello round 2 – Qualifiche

■Race:2nd

2時間の決勝では63号車と戦略を分けることになった19号車。当日朝まで様々なプランが検討されたが、最終的にビンチェンツォ監督のプランである根本悠生-リベラティ-ベレッタの順で挑む作戦に出た。これは序盤2スティントでなるべく多くのギャップを作るという先行逃げ切り作戦だ。またイタリアGTではサクセスハンディキャップとして過去の戦績に応じてピットストップ時にタイムペナルティが課せられる。前戦ペルグサで2位を獲得した19号車は+15秒の静止時間が追加され、これは計2回のピットストップでそれぞれ+7.5秒ずつ消化する必要がある。

予選とほぼ変わらないコンディションの中で迎えたスタートでは、ポールポジションからスタートした63号車のベンジャミン・ハイツとサイド・バイ・サイドで1コーナーへ進入すると、続く2コーナー、3コーナーとどちらも譲らず激しい戦いを見せる。続く4コーナーに向けてインサイドを取った根本がトップに立ち、VSRの1-2体制を築くと、根本はここから猛プッシュを開始。イタリアGTでは根本が参戦するGT3クラスに加え、各メーカーのカップカーを使用して争われるGTCUPクラスが混走しており、トラフィックの処理能力も求められる。根本はニュータイヤスタートだったこともあり、周回遅れに追いつく前に可能な限り後続とのギャップを引き離す作戦に出た。

Photo by Borderless

スタートからハイペースで飛ばす根本は開始早々ニュータイヤの利点を生かし1分48秒台を連発。5周目には1’48.601を記録し、今大会のファステストラップを獲得した。その後は後続と比較し毎周1秒近くギャップを広げていたことから、リアタイヤを多少ケアしつつ予定よりもスティントを長くとる作戦に変更。その後もミスなくコンスタントな周回を重ね、24周目にピットイン。その時点で2位と約20秒の差をつけ、サクセスハンディキャップを帳消しにするほどの快走を見せた。

リベラティが担当した第2スティント、そしてベレッタが担当した第3スティント共に大きなミスなく順調に周回を重ね、最終的に2位を獲得した63号車へ43秒以上の大差をつけ今季初優勝を飾った。

◆YouTube:Campionato Italiano GT Endurance – Mugello round 2 – Gara

■根本悠生 コメント

Photo by Fotospeedy

「チーム、そしてスポンサーさんに今季初優勝を届けることができてとても嬉しく思います。ペルグサでもトラブルが無ければ優勝できていたと思いますが、改めてこうしてリザルトに残るとやはり嬉しいです。今週末はタイヤ戦略に幅を持たせるためにFP1、FP2での走行量が極端に制限されていたため、ドライバーとしては練習する機会が無く非常にチャレンジングな戦いでした。予選セッティングに関しては今シーズン新たに担当してくれているスクアドラ・コルセのエンジニアと、僕ら三人のフィーリングとコメントがまだ100%マッチしていなかった結果、少しアグレッシブに行き過ぎただけなので、今後はこういった細かい部分も含めて更に一体となって戦っていけたらなと思います。」

「スタートで前に出られたこと、高い気温の中ハイペースかつ一貫したペースでスティントをこなせたこと、最終的に43秒もの大差をつけて優勝できたこと。今週末は全てが良い方向に働いてくれた二日間でした。改めてFAV HOTELをはじめとするスポンサー様、ファンの皆様に感謝致します。この調子でチャンピオンシップも獲得できるよう頑張ります。」

Photo by Fotospeedy

REPORT PDF
日:https://www.yukinemoto.com/report_/pdf/BDL-PR-220720.pdf
英:https://www.yukinemoto.com/en/report/pdf/220720-VSR-CIGTE-Rd2.pdf
LSC:https://www.yukinemoto.com/en/report/pdf/220720-LSC-CIGTE-Rd2.pdf

本件に関するお問い合わせはinfo@borderless-motorsports.comまで

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