Fanatec GT World Challenge Europe Powered by AWS Endurance Cup Rd.4 Hockenheimring

Yuki Nemoto
Fanatec GT World Challenge Europe Powered by AWS Endurance Cup
Rd.4 Hockenheimring Race Report

Photo by Fotospeedy

■Introduction

 9月1~4日、ファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ・パワード・バイ・AWS・エンデュランスカップ(GTWCEエンデュランスカップ)の2022年シーズン第4戦ホッケンハイムがドイツ南西部に位置するホッケンハイムリングで開催された。

 FIA-GT3規格の車両で競われる世界各地のGT3レースのなかで、もっともハイレベルな戦いが繰り広げられるGTWCEエンデュランスカップ。公式YouTubeで全セッションが英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語と4カ国語でライブ配信されていることからも、世界各地から多大な注目を集めるシリーズであることが伝わってくる。

 今大会が開催されたホッケンハイムリングはGTワールドチャレンジとして初開催のサーキットであり、Vincenzo Sospiri Racingとしても現在のGT3車両では初走行となった。2016年から欧州での戦いを続ける根本にとっても初めて訪れる地であり、サーキットへの素早い順応と高いセットアップの適応能力が同時に試される週末となった。

Photo by Kakophotography

■Qualify : 8th Silver

現地時間4日午前10時30分、気温20.6度、路面温度28.8度とジャケットを羽織りたくなるようなドイツらしい肌寒さの中、予選Q1が行われた。GTWCEエンデュランスカップでは3名のドライバーがそれぞれアタックし、3名の記録したベストタイムの平均で決勝のスターティンググリッドが決定される。

チームとしては前型のLamborghini Huracan GT3ではレース経験があるが、現行のEvo車両では初となる。また前回はミシュランタイヤを使用するGTOPEN選手権への参戦だったということもあり、引き継げるデータが少なく、ほぼ”ゼロ”の状態からマシンを仕上げていくこととなった。

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 563車のQ1はベレッタが担当し、1分38秒88を記録しクラス13番手を記録。予選に至るまでの練習走行でリアの不安定さを指摘していたベレッタは、ニュータイヤアタックでもその不安をぬぐい切れず、チームメイトの163号車の後塵を拝すことになってしまう。Q2を担当した根本はコンディションに合わせて順調にタイヤをウォームアップしてアタックを開始。ベレッタのコメントからハイスピードコーナーで多少余力を残さざるを得ないアタックとなってしまったが、それでもクラス8番手タイムを記録。Q3を担当したハイツが軽い車両で渾身のアタックを見せ、最終的に総合28番手、クラス9番手を獲得した。

YouTube:LIVE | Qualifying | Hockenheim | Fanatec GT World Challenge Europe Powered by AWS 2022 (English)

■Race : 8th Silver

 3時間で行われる今大会、今シーズンの通常の搭乗順であるベレッタ→ハイツ→根本の順で戦った。スムーズなスタートを切ったベレッタだったが、その半周後にJOTAのマクラーレンがヘアピン明けのストレートで他車と接触。そのままウォールに激しくクラッシュしたため、セーフティーカーが導入された。車両回収は順調に進んだが、その後セーフティーカー自身にアクシデントが発生。30分後にようやくレースが再開された。他車のトラブルにも助けられ、ベレッタは最初のスティントでシルバーカップのトップ10に食い込んだ。

 レース中盤はハイツが担当。このスティントでは1分40秒中盤のラップタイムを安定して刻みトラブル無く乗り越えた。63周目に163号車を駆るドルベッカが先にピットインし、パヴェルドへ交代。その3周後ハイツに代わってネモトへと交代となったが、ここでハイツが規定の停止位置から2mほど行き過ぎてしまうミスを犯す。GTワールドチャレンジでは規定の停止位置から1m以上離れてしまうと給油タワーとの距離の都合で一度車両をジャッキアップし所定の位置まで戻さなければならないため、

 予定していた停止時間よりも23秒多くピットレーンで過ごすことになってしまった。これによりコース上での順位を失った563号車だったが、それに加え残り40分で発生したクラッシュに対し導入されたセーフティーカーが根本の目の前へ合流。これによりライバルに対して丸1周分遅れを取る形になっただけでなく、根本は総合トップを争う集団の中で再スタートを切る形となってしまった。周回遅れとなっている根本はトップ集団の戦いを邪魔せず、且つ自分のペースを維持できるポジションまで後退。更にランボルギーニの63号車及び14号車を前に行かせ、そこから自分のレースへ再度集中する形となった。

 リスタート後は非常に安定したペースを披露。Emil Frey Racingの14号車はシルバークラスのトップを走行していた車両だが、根本は持ち味である安定性を武器につかず離れずの距離をキープし、トップクラスで戦えるポテンシャルを見せた。最終的に根本はシルバークラス8位でゴール、姉妹車の163号車もクラス10位を獲得し、チームとしてダブルポイントを持ち帰ることに貢献した。

Photo by Fotospeedy

YouTube:LIVE | Race | Hockenheim | Fanatec GT World Challenge Europe Powered by AWS 2022 (English)

■根本悠生 コメント

 「僕自身久しぶりに初めて訪れるサーキットでのぶっつけ本番レースウィークでした。事前にKAM Simulator Studioさんで入念なシミュレータートレーニングを実施、更にチームも各種データやオンボード映像の共有などで事前準備へ協力してくれ、可能な限りの準備をしたうえで本番に臨みました。やはりADACやドイツでのレース経験が豊富なチームと比べると走り出しはかなり苦労したなという印象ですが、そこからランボルギーニ・スクアドラ・コルセと共にセットアップをどんどん煮詰めていき、最終的に14号車とも十分戦えるレベルまでもっていけたのは僕個人としても非常に自信に繋がりました」

 「個人のパフォーマンスとしてはコースへの素早いアジャストや得意とする安定感のある走りでチームに貢献することができたと思います。レース中は思いがけないタイムロスやアンラッキーなセーフティーカーなどネガティブな試練を受けることになってしまいましたが、最後まで諦めず懸命にプッシュし、チームと自分のポテンシャルをしっかり魅せることができたと思います」

 「イモラ、ポール・リカール、スパそしてホッケンハイムとそれぞれ沢山のことを学びながら、ついに次はグランドフィナーレとなるバルセロナ戦です。ホッケンハイムとは違い、僕個人としてもチームとしても経験豊富なサーキットでランボルギーニとの相性も良いので、今年学んできた速さや強さを存分に発揮し、目標の一つである表彰台獲得が実現できるように頑張ります」

REPORT PDF
日:https://www.yukinemoto.com/report_/pdf/BDL-PR-220905.pdf
英:https://www.yukinemoto.com/en/report/pdf/220905-VSR-GTWCE-Rd4.pdf

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